私たちは、すべてが終わるのをただ待つしかなかった。
キースさんもとても気を揉むようで、落ち着きがなく。
コハクくんはアルさまの力になるために戦場へと戻ってしまった。

少し前のコハクくんなら、戦場に戻ることを拒んだだろう。
離れた間に私が毒で倒れたことをひどく気にしていたから。
でも、今回コハクくんの方から申し出た。

それは、コハクくんの中でアルさまの存在も大きなものになってきているからだろう。
私のことを守りたい。
そして、アルさまの力にもなりたい。
そんな気持ちがコハクくんに生まれているような気がした。


「きっと、大丈夫ですよね」

「ええ。アルさまはお強い方です。そして、クリス率いるイリアの騎士軍も強い。きっと、大丈夫です」