その手紙が窓の隙間から差し込まれていたのはキースとの会話から部屋に戻ってきた時だった。
丁度カラスのような真っ黒な鳥がくちばしで器用に紙を差し込んでいるところだった。
バサバサと黒い羽を羽ばたかせ飛び立っていく鳥の背を見送り、残された手紙を抜き取る。
『王妃殿に、もう一つ提案がある。他のものに知られたくない故この方法をとった。もし、そなたが俺様の王妃として身も心も捧げるというのなら、今回のところは国の方は諦めてやってもいい。いい返事を期待している。 ゼルダ』
私が、ゼルダの王妃に…?
そんなの、絶対にいやだ。
でも、そうすれば国が助かる。
なぜそんなことを?
私が王妃になることが、それ程の事だとは思えない。
なにを考えているの。
国を諦めるなんて、本気だとは思えない。
それでも、それが本当なら…。
私は王妃なのだから。
国を護るために、行動しなくてはいけないのよね。
それが、アルさまのためになるのだから。
それに、この条件を飲んでコールド王国へ行けば、アルさまの事が何か分かるかもしれない。


