冷酷な王さまは愛し方を知らない



それが、そのことが、とても嬉しい。
幸せで。
こんなにも私の事を想ってくれているんだと思える。


「でも、国民の事を考えるのはいいが、俺の事も考えてくれ」

「え?」

「もう少しゆっくりしろと言ったのに、王妃として忙しなくしていて、俺が構ってやる時間がないではないか」


拗ねたような口ぶり。
拗ねたアルさま…。
失礼だけれど、とても可愛い。


「あら、忙しそうにされているのは、アルさまとて同じでしょう」

「リズが忙しいから、仕事をしこたまいれたのだ。忙しくしていれば気がまぎれる」

「まぁ…」


そうだったのか。
少し、申し訳ないことをしてしまった。