冷酷な王さまは愛し方を知らない



でも、そうじゃなかった。


「そんな顔しないで。俺も、少し寂しいなって思ってるんだから」

「クリスさん…」

「あ、今のは聞かなかったのことにしてください」


クリスさんが、しまった、と舌を出してとぼける。
そっか。クリスさんも寂しいって思ってくれてるんだ。


「わかりました。クリスさん、よろしくお願いします」

「リズさまのお世話、しっかりと務めさせていただきます。なにかあれば何なりと私にお申し付けください」

「ありがとう。そうさせてもらいますね」


クリスさんがいてくれるのは、確かに心強いかもしれない。
アルさまも、クリスさんの事を信頼しているという事だろう。