少しずつ、体の調子も戻ってきたような気がする。
気怠さも吐き気もなく、気持ちも軽くなってもう動けそう。

そう思って、ベッドからゆるゆると起き上がる。
床に足をつけ、ゆっくりと立ち上がる。


「あっ!」


足の踏ん張りがきかず、バランスを崩して倒れこむ。
思わず近くにあった椅子にしがみ付くがそれは心許無く、バランスを崩して床に倒れこんだ。

大きな音を立てて倒れた椅子。
その後に慌てたように部屋の外で警備していたであろうクラスが入ってきた。


「リズさま!」

「ク、クリスさん…」

「大丈夫ですか!?」


クリスさんが抱き起こしてくれる。
抱き起こされながら、私は不安に駆られていた。

まるで、自分の身体じゃないみたいだった。


「あ、足が…」

「え?」