冷酷な王さまは愛し方を知らない



少し赤みかかった髪色で、サラサラなロングヘア。
意志の強そうな瞳をしている。
同じ庶民というのに堂々としていて、王女さまとも引けを取らないような姿。



「あ、えと…。城下で花屋で働いていました、リズといいます。あの…、どうして自分がここにいるのかよくわからなくて戸惑っているのですが…。よ、よろしくお願いします」




堂々としたあいさつの後で、なんとも締まらない私のたどたどしい挨拶。
でも、王女様たちはとても本位のようだし、私が辞退しても大丈夫かもしれない。

きっとその方がいい。
乗り気ではない私がいるより、きっと。



「…最初に言っておくが、今回の件は周りが勝手に騒ぎ立てているだけだ。俺の意志ではない。俺からの見返りがあるとは思うな。期間の間は悪いようにはしないが、誰も選ばんという事もありうる」



アルさん…、王様は冷たい声色ではっきりとそう告げた。
どういうこと…?

王さま自身がこの件にあまり乗り気ではない…?
それって…。