冷酷な王さまは愛し方を知らない



訳が分からず混乱した頭。
でも、すぐにハッとした。



「す、すみません!!」



自分が今置かれた立場をすっかり忘れていた。
隣から痛いくらいの視線が刺さる。




「アルヴィン様、セルシー王国第2王女シイナです。この度は、私を候補に選んでいただき誠に光栄にございます。アルヴィン様に選んでいただけるよう精進致します」



私から一番遠い端にいた女性が挨拶をする。
とても美しい目鼻立ちのはっきりした女性。
金髪のウエーブのかかった長髪はとても綺麗だ。
王女さま。
私なんかとは比べ物にならない立場のお方。
なんでそんな人と並んでいるんだろう。



「父ドーベルともどもお世話になっております。娘のルナです。この度は選んでいただきありがとうございます」


黒髪のボブのきりっと鋭い瞳の女性は、貴族さまの娘さんのようだ。




「お初にお目にかかります。城下で喫茶のお店で働いていました、ミリアと申します」



この人が私と同じ城下生まれの人。