冷酷な王さまは愛し方を知らない



「明日の公務、俺も警護につくことになった」

「え…、そっか。じゃあ、よろしくお願いします」

「うん」



明日、というのは私が王妃になって初めてアルさまと共にする公務だ。
隣国のパーティーに招待されている。

アルさまが王妃をめとって初めての公の場。
いわば、お披露目の場にもなる。
だから、とても緊張して現実逃避にこの花壇にやってきたのだ。



「リズ、変だ。どうかした?」

「ん?…うーん、少し緊張してるの。失敗しないかなって」

「失敗?なんで」

「私はやっぱり庶民で、頑張ってマナーの勉強をしているけど、やっぱり生まれながらに身につけている人とは違う。叩き込んだマナーだから」



自然とこなせるようになるのは、まだ程遠い。



「アルさまに恥をかかせないために頑張りたいけど…、その気持ちも空回りしてしまいそうで」

「別にアルヴィンなんか、恥をかかせとけばいい」