冷酷な王さまは愛し方を知らない



私がキースさんに連れられて中にはいると、並んでいたドレス姿の女性たちがそれぞれに振り向いた。
なんだか、鋭い視線…。
睨まれてるような…。



「こちらでお待ちください」

「は、はい」



言われるがまま一人の女性の横に並ぶ。
沈黙が重い。

チラリと横を見る。
とても堂々とした立ち姿の女性たち。
オーラが違う。

とても、私が場違いのような気がした。


暫くすると、足音が聞こえてくる。
颯爽と現れた人物は真っ直ぐに豪華な椅子の前に行き、座った。



私はその人の姿を見て、思わず声をあげた。




「アルさん…!?」




キラキラと綺麗な金髪の長髪を一つにまとめ上げたその人は、紛れもなくアルさん。
舞踏会で出会った時も驚いたけれど、その時以上に心臓が跳ねる。
だって、アルさんがあそこにいるという事は、アルさんが王様で・・・王さまがアルさんで・・・。

ええ…!?