冷酷な王さまは愛し方を知らない



「しくじった…だけ…。なんで…、気づいたら…ここに来てただけ…、少し休んだら、消えるから…」

「なに言ってるの!ここに来たってことは、私に助けを求めてたんじゃないの?私だって、こんなコハクくん見て放っておけるわけないよ」

「頼るつもり…なかった……、なのに…」

「いいから、頼るつもりなかったならそれでいいから!喋らないで」



素人目で見たってこれは酷い怪我だ。
一刻を争う状態。



「どうしよう…、待って、誰か呼んで…」

「ば…、馬鹿か。…俺との関わり…ばれたらまずいだろ…。俺はいい…こういうの…慣れてる」

「慣れてるって…。関係がばれる事より、コハクくんが手遅れになる方がまずいでしょ!」



こんな時になにを言ってるの。
どうしてこんな目にあったのかわからないけど、私が巻き込んでしまったかもしれない。

そうじゃなくても、もう関わってしまったものを見捨てることなんてできないじゃない。
私の行動が間違っていたとしても。

命を見捨てるくらいなら、その方がいい。