冷酷な王さまは愛し方を知らない



――俺を呼ぶときは、この笛を吹いて



そう言って渡された小さな笛。
なんでも、この笛にコハクくんが連れている子ザルが反応して知らせてくれるんだとか。

子ザル…。
さっきも、以前もそんなもの連れてはいなかったけど。
でも、私の知らない武器や道具をいろいろと持っているんだろう。


この選択が本当によかったのか、私にはわからない。
アルさまの暗殺計画を知って、不安になっていろいろと突っ走ってしまった感は否めないし。


でも…。
アルさまとは違った冷たさを持った彼。
なんの感情も感動も持たない彼が、どうしても気になって。



これ以上、手を悪に染めてほしくなかった。
もちろん、それだけじゃないけれど。

コハクくんが味方になってくれるなら力強いと思ったのも確か。



「帰ったのか」

「…あ、アルさま」



考え事をしながら城に戻り、自室に戻ろうとしていた私にアルさまが声をかけてくれる。
少し会わなかっただけなのに、とても久しぶりに思えた。