冷酷な王さまは愛し方を知らない



暗殺の危険…。
私は知ってしまった。

前国王の暗殺の真相。
そのことを、いまだにアルさまにも他の人にも言えないでいる。


あまりに恐ろしくて。
知ってしまった事実が私には重すぎて。
どう伝えていいのか、わからないのだ。


「そんな中、アルさまはようやく自分の意志を示されたのです。それがあなたを王妃にすること」

「私…」

「出来る限り私も協力します」

「はい。ありがとうございます」

「でも、ちゃんと休息は取ってください。貴方が倒れて悲しむのはアルさまですので」

「…はい。肝に銘じておきます」



アルさまに心配をかけたくないのは私だって同じだ。
自分の体調管理くらいは、ちゃんとしなくちゃ。

今はとりあえず、自分自身の問題としっかりと向かって、アルさまのお力になれるように。


なんの力もない私が、アルさまを支えるなんてできないのだから。