「最期に教えてあげるわよ。暗殺されたの。私のお父様にね!」



ルナさんの言葉に息を飲んだ。
暗殺……?
アルさまのお父様である前国王さまが…。



ルナさん親子は、その上アルさまのお命まで…。
信じられない。


「酷い…。そのこと、アルさまは…」

「躍起になって犯人探しをしたようだけどね。ばれなかったわよ」

「でも…、アルさまはあんなに堂々と…」

「あの男は父親が暗殺されてびびってたのよ。慎重になって隙がなかった。だから、あの方法を取るしかなかった」



そんな…。
自分を犠牲にしてまで…。

アルさまの暗殺が成功していたとしても、ルナさんはきっと拘束され、今以上に最悪の結末になっていたはずだ。


それなのに、ルナさんを突き動かしたものはなんだろう。