冷酷な王さまは愛し方を知らない



服はボロボロでところどころほつれていたり破れている。

庶民という事に引け目を持っていた。
庶民に戻るのは嫌だと、王妃になることを執拗に望んでいたミリアさん。


「すぐに、やり直しますから!」

「ああもう!雪がかかったじゃないの!」



威圧的な女性はそう言いながら室内へと入っていく。
ミリアさんは起き上がり、身体の雪を払うと慌てた様子で中に戻っていった。



私は目の当たりにした現実から身動きが取れないまま。
王城で出会ったミリアさんとは全く違う現実を生きるミリアさんの事を想った。



だからこそ、本気で王妃さまを目指していたの?
虐げられる生活から逃れるため・・・?



でも…、あんな風に頭ごなしに怒鳴りつけるなんて。



酷い…。



でも、私にはどうすることもできないんだよね。