「気分を害したわけではないのでしたら、受け取って差し上げて下さい」
「でも……」
「アルさまのお気持ちですから」
気持ち…。
お母さんの病気がよくなる。
それは本当にうれしいことだ。
治療を受けるため懸命に働いていたのだから。
「あの…、いつになるかわかりませんけど、ちゃんとお金はお返しします」
「…そうですか。リズさんらしいですね」
キースさんは、その答えがわかっていたかのように微笑み頷いた。
借りを作りたくない。
私とアルさまの間で…。
私がアルさまを好きな理由は、そんなことじゃない。
それを、アルさまに知ってもらわなくちゃ。
どうすれば伝わるだろう。
どうすればわかってもらえるだろう。
でも、わかってもらう必要はあるのだろうか…。
思いが通じたからと言って、私とアルさまの間にはどうしようもないほどの距離がある。
近づくことは、もうないかもしれないのに――――――。


