冷酷な王さまは愛し方を知らない



もし、このままアルさまが無事に戻って来られなかったとしたら…。
私きっと、後悔するのに。



「私…、私…」

「リズさん…。大丈夫です。アルさまはお強い方です」




キースさんだって心配なはずなのに、私を励まそうとしてくれる。
私が信じなくてどうするんだろう。

キースさんがこんなにも、アルさまの事を信じて待っているというのに。




「ごめんなさい。あの…、アルさまの事、待っていてもいいですか…?」

「もちろんです。一緒に、ここで待ちましょう」



キースさんは優しく笑う。
温かな人だと思う。

アルさまの隣で、きりっとした姿ばかりを見ていた。
こんな風に優しく笑う方だったんだ。



アルさま…。
どうかご無事で。