冷酷な王さまは愛し方を知らない



花が踏み荒らされていく。
いや…。
やめて。



「暴れんなよ!」



男の平手が頬を張る。
痛みが走り、口の中に血の味が広がった。



「楽しませてくれよ!」




男の手が服に伸びる。
前開きのボタンが引きちぎられ、下着が露わになる。




「いやああ!!!」




私は一層暴れるが、その腕を別の男が取り押さえた。
どうして私がこんな目に。

私はただ、一人前として認めてもらいたくて。
仕事をちゃんとこなせるって。


サーシャさんにそう思ってもらいたくて。



助けて。



涙が頬を伝う。
絶望と、恐怖に支配され。


私は現実から目を反らしたくて目を固く瞑った。



「ぐあっ!!」



急に、唸り声が聞こえたかと思うと私の上に馬乗りになっていた男の重みが消えた。
そして同時に、頬に感じた濡れた感覚。


周りが動揺に騒ぎ始めた。