冷酷な王さまは愛し方を知らない



無事、花を選び終えた私は手続きを済ませ店を出る。
花がいたまないうちに店に戻らなくては。



店を出る直前、クレハさんにも戦に気をつけろと言われてしまった。
最近は戦の頻度が高く、それも突然に始まるらしい。

私の足は自然と早くなる。



空がどんよりと暗い。
雨が降りそうだ。



急ぎ足で馬車乗り場に向かう。
そこまで遠くない。



ふと、遠くから地鳴りのような音が聞こえてくる気がした。
ドドドドド…
人の叫び声のようなものも聞こえてくる。



「え……」



なんでこんなタイミングでと思う。
聞いたことのない音。
だけど、私にもわかる。


きっと、始まるのだ。



その音は次第に近づいてくる。
恐怖が胸を支配する。
逃げなくては。


ここにいてはだめだ。



私には、無事任務を遂行するという目的がある。



しかし、その喧騒はすぐそこまでやってきていた。