いじめの事実はないとその担任が言ったところで、 親が信じられないのは当然だと思う。 実際我が子は、 学校に行こうとしない。 「気付いてないと思うよ? 昨日の夜、 今日も学校行かないって言ったら、 ヒステリー起こしてたしぃ」 紗良の普段通りの笑顔が、 やけに痛々しく砂浜に映える。 「朝、起きた時、 もう仕事でかけちゃってたもん。 紗良、家にいると思ってるんじゃない?」 「…そうか。 でも学校から来てないって、 連絡行ってるかも…」