それに気づいて振り返った咲。

「何してる。」

「二階・・・行っていいの?」

そう聞くと

「・・・いいから来い。」

そう言って私が上へ来るのを待っている。
仕方なく階段を上がると、咲は私を先に部屋に入れた。

「好きなとこ座れ。」

そう言われた私は、一番近くにあった丸い椅子へと腰掛けた。
それを見た咲は何も言わずに、一人がけ用のソファーへと座る。

「・・・。」

沈黙が続く。
聞こえるのは、時計の針の音のみ。
私の身長には少し高い椅子。
足を揺らしながら遊んでいると、部屋に海斗さんと陸さんが入ってきた。

「遅くなっ・・・へ?」

海斗さんは部屋に入ってくるなり、私を見てそう言った。

「こんばんは。」

驚いてる海斗さんを見て、挨拶をする。
後から来た陸さんや、他の幹部の人も驚いている。

「どういうこと?」

そう咲に聞く海斗さん。
それぞれが席に着くと、咲は話し始めた。

「こいつと付き合うことにした。」

「は?」

「だから、こいつは俺の女だ。」

「・・・・。」

シーン・・・。
静まり返る。

「お前・・・それ・・・。」

「・・・・。」

何も答えない咲から目を逸らして、海斗さんは私を見る。

「・・・君は、それでいいの?」

その問いかけに頷いた。
海斗さんは何か言いたそうだったが、私が微笑むと、口を閉ざし、これからよろしく。そう言ってくれた。