未来を見るなら、君と一緒に

「陽くん」



着替え終わった潤先輩が俺の隣に腰をかける。



「どうしました?」



隣に座ってきた潤先輩に少し緊張ながら答える。



「あたし、もう陽くんの先輩じゃないんだから……先輩はいらないよ」


「じゃあ……潤」



ずっと呼んでみたいと思ってた。
その名前を口にした瞬間、嬉しさが体全体に広がる。



「わ、呼び捨て!?」


「え?あ、ごめんなさい……」



潤先輩の反応に慌てて謝る。



「あはは。うそうそ。潤でいいよ、そして敬語もいらないよ!」


「うん。潤」



ずっとこうして呼びたかった。
ずっと敬語なんてとっぱらいたかった。
ずっとこうして、話したかった。

俺の願いが叶った瞬間。
付き合えたわけでもないのに、ただそれだけの事がどうしようもないくらい嬉しかった。



「なに、読んでいたの?」


「ん?学校で配られた資料。ほら、ここ」


「ん……?」



俺が指さした箇所にぐんと顔を近づけてくる。