未来を見るなら、君と一緒に

〝今日遅くなるから駅で待ってるなら先帰っとけよ〟



時計を確認するともう既に16時。
ふだん、帰りが一緒になるときは光と駅から一緒に帰っていた。

でも、今日はどうみてもまだ帰れないので、光にLINEをしておく。



「あれー?賢晴は?」



ガラっとドアがあいて聞こえて来た声に絵の具をつけた筆を落としそうになって慌てて寸前できつく握り直す。



「あ、どっかいきました?」


「え?じゃあこれ陽くん1人でやるの?」


「あーまぁ、そうなりますね」



もー、なにやってんだかとブツブツ言いながら、俺の向かい側にちょこんと座る。



「はい、筆ちょうだい」


「え……?」


「陽くんひとりじゃ日が暮れちゃうよ」



ニコッと笑って言う潤先輩にやっぱり胸はとくんと動く。



「すみません、お願いします」



さっきまで賢晴さんが使っていた筆を潤先輩に渡す。



「いえいえ、賢晴のせいだから、あたしがやるよ」


「あぁ……」



彼氏の責任は彼女が負う。
二人の絆のデカさを見せつけられた気がする。