未来を見るなら、君と一緒に

考えてみたら、1年目で余裕がなくて。
毎日夜に一緒に過ごすことくらいしかできてなかった。



〝賢晴さんと大丈夫?〟


〝変なことされたらちゃんと呼ぶんだよ?〟


〝あぁ、やっぱり一緒に行けばよかった〟



なんてLINEがひっきりなしに送られてくるあたしのスマホ。

あたしがいま大好きな人はとてつもなく心配性みたいだ。



「さっきからそれ、陽?」


「うん。超心配されてる」


「悔しいけどさ、今陽のこと考えてる顔。俺と付き合ってるときより全然いい顔してんな」



ふわっと笑う賢晴の顔はあたしが大好きだった顔をしていた。



「その笑顔、すごい好きだったよ」


「はは、ありがとう。俺もいい相手見つけるかな」



2杯目のジョッキを一気にゴクリと飲み干す。

やっぱり賢晴はあたしが好きな顔をしているんだよな、とつくづく思う。

完全に一目惚れだったんだもの。



「俺は潤に完全に一目惚れだったよ」



考えていたことと、一致してなんだか嬉しくなった。



「たくさんの思い出をありがとう賢晴」



もう、過去を振り返ることはしない。
未来にだけ向かっていく。