食べ終わって誠さんと立花さんが話してるのを静かに隣に座って待っている。達也さんに入れてもらったジュースを飲みながら。




立花さんの電話がなって席を外す。それを見計らって私は誠さんの肩を叩く。




「達也さんって、女装が好きなの?」



「………気になるの?」




一瞬表情が消えたが本当に一瞬で誠さんの顔は先程のホンノリとした微笑みではなく……甘い笑を浮かべていた。




「気になるなら教えてあげてもいいよ?でもね?俺の質問に答えてくれたら。だけどね?」




と、言って私の髪をサラリと撫でる。私は頷くしかできなくて……誠さんの甘い微笑みに心を奪われていた。





「遥……俺のことどう思う?」



「わか……らない……でも、好きだと思う。」



「おれも、好きだよ。じゃあ、一度俺に惚れたら逃げれないって言っても好きでいてくれる?」




そう言った誠さんは少し悲しそうな瞳をしていて……一気に夢現から放り投げられた感覚がした。




「逃げれない?」


「そう。逃げれない。一生……逃がしてあげれない。」



「………私……」


「大丈夫。ゆっくりでいい。ごめん。遥にはまだ早かったかもしれない……」




そう言って私の髪から手を話そうとした誠さんの手を掴み私の頬に手を持っていく。何故だろう。このまま離せば誠さんが遠くに行く気がして怖くなった。




「私、私が思ってるより誠さんが好きなんだとおもう。私が気づいてない私の中の私が誠さんを好きだって叫んでる。おねがい。離せなくてもいい。だから……だから。」




私は誠さんのひとみを見てそう言葉にする。誠さんは驚いた顔をしたもののいつもの表情で……



「答えは、好き。嫌い。それしか受け付けません。」




なんて微笑む誠さんに私は




「好きです。」




と、答えていた。
その答えに誠さんは微笑み触れるだけのキスをした。そして、お互いの唇が離れたとき、タイミングよく誠さんの電話がなり誠さんが席を外した。




真っ赤になる顔をお冷を飲んで冷まそうと思ってコップを取ろうとしたら達也さんが私の前に来て微笑む。




「お嬢ちゃん。おめでとう。」



「え、あ。っ………見てました……よね?」



「あぁ、バッチリな!」




と、ニカッと笑う達也さんに一段と顔に熱がこもる。が、達也さんの一言で熱は一気に冷めた……





「ごめん。お嬢ちゃん……」



「え?」




「お前、田端の女だろ?ちょっと来てもらおうか。」





達也さんに謝った意味を聞こうとしたが……知らない男性の声がして振り向く前に意識を失った。意識を失う前に見た達也さんの顔はとても辛そうにしていた。