まだ薄くらい街、電気をつけなければ少し暗い部屋の中。私は誠さんが寝るベッドの横に立ち誠さんの顔を上からのぞき込む。





誠さんを起こさないようにそっと誠さんの手を握る。優しさと、温もりを忘れないように。暫くそうしてからこっそりと部屋から出る。そして玄関に向かうと、玄関マットに座って私をまちかまえていたモモがいる。




「モモ……ありがとうね。誠さんによろしく伝えてね?」




そう言って靴をはこうとするとニャーニャー泣き始めるから、抱き抱えて静かにするように言うがモモの目はまるで、連れてけ。と言ってるかのよう……




「モモは連れてけないよ。あんな所に行ったら……きっと辛い思いをするだけだから……」




なんて言うと口を開くモモ……慌ててモモの口を塞ぎ連れていくから!というと目を細めニャーと短く鳴いた。




仕方ないと思ってドアを開け外に出て鍵を閉めてポストに入れる。そして、約束の場所まで急いだ