戻ってきた誠さんの両手には、唐揚げの他に、焼きそば、たこ焼き、はしまき、お好み焼き、その他色々を持っていた。




「どうしたの?それ。」



「知り合いにあってもらった。」




もらった。って量じゃないよね?なんて思いながらも半分受け取り誠さんと並んで待ち合わせ場所に向かう。待ち合わせ場所にはもう、皆がいて私達の両手を見て苦笑していた。




「なんだよ。また貰ったの?」



「遥ちゃんまで持ってるじゃん、俺呼べばよかったのに」




奏さんが私の持っていたものを持ってくれて近くのベンチに置いてくれた。どうやら貰ったのは今回が初めてじゃないみたいで、後でお礼を言わないとな。なんて言っていた





「遥、座りな?」




そう言って綾ちゃんの隣に置いていた荷物をのけてくれる誠さんにお礼を言いながらもすわる。座ると綾ちゃんと目が会いニヤニヤとしながら、二人で回ってどうだった?なんて聞いてくるから、素直に感想を言う。【美味しかった。】って、そしたら、素直すぎた私の返事に吹き出す綾ちゃん。




「美味しいかったって……ちがうよ。そうじゃないー!誠さんと見て回れた感想を聞きたいんですー」



なんて笑いながらも聞いてくるから、楽しかったと伝えるとそれから?なんて聞いてくる、でも、それ以外に感想なんてなくて、困っていたら夜空に大きな綺麗な花が咲く。




「わぁ……」





私たちがいる場所は特等席なのか、建物とかに邪魔されることなく綺麗に見える。





いつの間にか私の隣に誠さんが座っていて空を見上げていた。そんな横顔をちらちら見ながらもこの一瞬の光景を目に焼き付けた。





「誠……好きだよ。」





そう呟いた言葉は花火の音でかき消されたのだった……