そのあとは、なんだかんだでお姉さんの夢だったと言うアルバムを見て当時のことを語ってくれる。
「昔はやんちゃしててんだよねー。手がつけれないほどに……」
「そうなんですか?全く考えられないですけど……」
「うん。私も。誠が‘俺、家から出て一発やってくんわ’なんて言い出して高校生で家を飛び出した時なんか、こいつどこぞの偉いさんぶっ倒すんじゃね!?って母さんと顔合わせて言ったぐらいだったのにさー。数年後にひょこっと連絡よこしたと思えば‘彼女できた。姉さんがやってる店に行きたいみたいだから、紹介がてらそっち帰るわ。’だよ!?それに、まじで一発やりやがっててさー。まじびびった。それに、ついに妄想とか、携帯とかの彼女紹介されるのかと思った。」
なんて面白そうに話すお姉さんを見て気になったキーワードがある。【紹介がてら帰るわ】?え、なに?私今頃だけど、お姉さんと弟さんに紹介されてるの。なんて思ってしまう。
「あっ、その。ちゃんとした挨拶も出来ませんで……すみません。」
「へ?あー。うん。肩苦しいの嫌いだし。私、両親より大丈夫だから大丈夫よ?」
え、なに?誠さんの御両親怖いの?え?えぇ!?テンパっていたら笑われて怖くないからね?と頭を撫でられた。
「ほんと……遥ちゃんみたいな妹がいれば幸せだったのに……男ばっかでさー。ん?でも、誠と結婚したら妹じゃんね!いやー。うれしいな。ほんと、おねーちゃんって呼んでね?」
さっきも聞いたよ。なんて思いながらもアルバムを見て色んなことを聞かせてもらった。
そしたら、ちょうど見終わった頃、誠さんが弟さんと戻ってきてお姉さんの手の中にあるアルバム帳を見て慌てていた。
「変なこと吹き込んでないだろーなー。」
なんて睨む誠さんにお姉さんはどこ吹く風。でニコニコしながら変な事?とからかい始めた。それを見て私は’こんな姉弟、いいなー。‘なんて柄にもないことを思った。
「んじゃ、姉さん俺帰るわ。他のとこも行きたいし……」
「ん?そう?もう少しゆっくりしてればいーのに。まっ、デートだもんね。少し邪魔しちゃったけど……楽しかった!遥ちゃん!今度は1人でおいでね?誠は来なくていいから。」
なんて笑うお姉さんに苦笑しながらもお姉さんと弟くんにお礼を伝えお店からでた。



