雪のなかに猫





二人でキャピキャピと騒ぐ姉弟に巻き込まれながらも楽しく食事をすます。少し話して次に行こうとしていたみたいだが




「そうだ!誠ちゃん、あんた暇だよね?少しだけ手伝って欲しいんだけどさー」




「嫌だ。見てわかんだろ?俺は彼女とデート中です。」



「あぁん?このお姉様の言うことが聞けねーのか!?」




なんて睨まれ、渋々と立ち上がり、詳しくは弟に聞け。と言うお姉さんに弟くんとどこかに消える。それを見てお姉さんは私の隣に座りアルバムを取り出した。




「いやーさ?弟の彼女とこうやって並んでアルバムを見ながら語るのが夢だったんだよねー!でもまぁ、まさかの誠ちゃんが彼女ちゃんを連れてくるとは思いもしなかったからさー。誠ちゃんの彼女ちゃんは諦めかけてて……マッタケに期待してたけど……誠ちゃんが遥ちゃんみたいな可愛い子を連れてきて安心したよ……」




‘ほらさ、誠ちゃん私に似てイケメンだからさー。顔だけで付き合われるとかムカつくじゃん?’って笑うお姉さん……




「たしかに、お姉さんも誠さんも弟さんも……美男美女ですもんね……なんか、私がここに居ていいのか。って思っちゃうほどいずらい空間です。」




なんて言えば私の背中をばしばしと叩きながらも、なにそれーって笑ってる。でも、次は真剣な顔をして私を見る




「遥ちゃん。遥ちゃんには誠ちゃんがどう見えてるかなんて私は知らない。頼りない。とか思ってるかもしれないし、はたまた頼りがいがある。と思ってるかもしれない。でもね?男をどっちに転がすのも、彼女なの。」



「え?」




私にはお姉さんが何を言ってるのかわからなくて聞き返す。




「だーかーらー。誠ちゃんを動かすまたは、支配するのは……彼女の遥ちゃんだってこと!遥ちゃん次第で誠ちゃんが役に立つか、役に立たないか。が決まるのよ!」




「……お姉さんごめんなさい。全く理解できません。」





なんて真顔で言うと爆笑するお姉さん……




「遥ちゃん。男はね頼られて喜ぶ生き物なのよ。だから、遠慮しないでバンバンたよっちゃいなさいな……遥ちゃんが思っているほど誠ちゃんは弱くない。」





お姉さんの言葉は全く理解できない。けど、初めてあった誠さんのお姉さんは……私が隠していることを知ってる。そう、なんだか思ってしまった。




だから、私は……





「ごめんなさい。ありがとうございました。」





と、訳の分からない言葉をお姉さんに伝えた。