カレーを作ってるとモモが近寄ってきた。
「こら、モモ……今料理中だから台所から出てって……」
そう言うと少し離れてこちらを見ているモモ。私はモモを見て微笑みながらもカレーを作る。
「あれ?カレー?」
「え、嫌いだった?」
「遥が作る料理はどれも好き。でも、何かあった?」
ドキッとして、お玉で回していた手を止めそうになるが、止めることなくルーを溶かす。
「何も無いけど……どうしてよ」
「いや、いつもと違う料理の仕方だなーって。」
なんて笑いながら隣に立つ。そして、顔を覗き込んでくる。だから、ついつい目をそらしてしまう。
「ほら、くせだよね。目をそらすの……」
そんなこと……自分ではわかんない。誠さんの事だから……私の知らないことまで分かってるんだろーな。
そう思いながらも出来上がったカレーをスプーンにすくい誠さんの口に運ぶ。パクッと口にくわえる誠さんを見て小さく笑う。
「大好き。」
「俺も。」
私のつぶやきにクスッと笑い頬にキスをする。
それから、夕飯までの時間、誠さんの横に座りお互い自由にしていた。
そして、夕飯が終わり誠さんがお風呂に入っているあいだに洗い物を済ませ電話をかける。
【はい。】
「私です。三日後、あの場所で待ってます。」
【フフッ……わかりました。お待ちしております。】
くれぐれもお忘れなきよう。と電話を切る電話相手。私はこれでいい。誠さんと過ごしたのは半年……自由だった……とても楽しかった。
だから、これ以上。迷惑かけてはダメ。
誠さんを好きになってしまったから。



