そうしていると遥を攫った車は港の倉庫に止まった。俺達は車から降りて先に来ていた車に乗り込む。
「どうも誠さん。これが言われていた物です。」
そう言って運転席に座っている赤髪の大和がスーツケースを渡してくる。
「あぁ、助かった。相手の要求は?」
「はい、誠さんが社長を辞めることと3代目から降りること。それか、68億です。」
「……これは?」
「半分です。」
「…………」
スーツケースを見て考える暇もなく。車から降りる。そのあとを奏と達也が追いかけてくる。
【ここは……】
どうやら遥も起きたみたいだし……
俺の愛しいお姫様でも迎えに行くか……
背後から
「姫さんだってよ!キャラでもねー事言ってやがるぞ!!」
「ちょ、達也さん……聞こえてますって。」
と、笑う声が聞こえたとか……



