ー次の日。

沙織に無理矢理起こされ、

バイト先まで連れてこられた私は、

眠い目を擦りながら下を向いた。


まだ起きて間もないのに、

こんな明るい太陽見ていられない。

休日にこんな早起きするなんて、

私には到底ないことで体が受け付けていないらしい。


「ねぇ、音。イケメンいるかなぁ?」

「…え、気にしてるのそこ?」

君は男狩りに行く気だったのかい!?

と、突っ込みたくなる。

忘れてた…


彼女。沙織はとにかくイケメン好きなんだった。

イケメンには辺り構わずぶつかっていく。

それが彼女のポリシーらしいのだが…

私には毛頭わからん。


「いたとしてもさ、大人ばっかでしょ。」

「えぇ~そうかな?」

「いや、だってさ。ここ…求人雑誌見てたら

結構なお年の方ばかりが働いてるらしいよ?」


昨日の求人雑誌。

そこには…

"30代~50代。幅広い年代の女性たちが活躍中!"

なんて書いてあったわけで。

「マジかー(笑)

まぁ、でも一人くらい、若者いるっしょ!」


「アハハ。だといいね?」


「音も。ちゃんといい人見つけなよ?」


「…うん。いい人、いたらいいな…」


沙織は、今までの私の恋愛を知ってる。

今まで、私は浮気だのDVだの、

で裏切られてばかりいて。

そんな私の隣にいてくれたのは、

いつだって沙織だけだった。

まぁ、きっと私は

男運が良くない女なんだろうなぁ。

なーんて、そんな事いってたらいつまでも

いい男なんて現れないよね(笑)


「よし、音。準備OK?」


「OK!」


「んじゃ、…」


「「レッツゴー!」」


二人同時に叫び、


アルバイト先へと駆け出した。