「おい!私の可愛い、可愛い、リリィーは、まだ治らんのか⁈」
そうイライラした口調で、メイド服を着た若い女性に、詰め寄っているのは、この国では、王族に次ぐ地位に着く、公爵家当主のハルイ・スーザンと言い、リリィー・スーザンの父親だ。
今、リリィー・スーザンは、原因不明の熱で一週間近く、苦しんでいた。
勿論、リリィー・スーザンを溺愛している、この父親は、熱で苦しんでいるリリィー・スーザンに、自分の持っている権力を使い、色々な医者に見せたが、原因は解らず、苦しんでいる娘を救えないことから、先程の様に、使用人にイライラをぶつけていた。
実は、リリィー・スーザンが、熱で苦しんでいるのはただの、前世を思い出したことにより、脳が耐えきれなくなった為、なった熱なのだが、ハルイ・スーザンは、そのことを知らない。

頭が痛い!キリシの奴こんなことになるなんて言ってないじゃないか!今度会ったら、一発ぶん殴ってやる!
まぁ、最初の頃よりはマシになったけど…
最初の時は、知らない記憶が入って来て、不思議な感覚に襲われた後に、頭が激痛に襲われるという、最悪なことになったのだ。
今は、辛い頭痛に悩ませられるだけで済むからまだいいが、最初の時は、辛いこと辛いこと、まじで、キリシに会ったら一発ぶん殴ってやる!

そう、決意したリリィー・スーザンであった。