私たちは、冬休みを絡めて、2週間の休みをもらった。
挙式に1日。
ハワイに8日間。
帰宅後の挨拶回りに2日。
銀行などの手続きに2日。
後の1日は、2人でのんびりイチャイチャ…。
幸せな時間は、あっという間に過ぎて、終わってしまう。
「あーあ、明日から仕事かぁ。」
私が言うと、
「もっと遥とイチャイチャしてたかったな。」
と、けいちゃんが私を抱きしめた。
「明日からは、隣にけいちゃんいないし…」
私がぼやくと、
「俺がいないからって、他の男を
近寄らせるなよ。」
とけいちゃん。
「ん?
近寄らないようにはできるけど、近寄らせない
ようにするには、どうすればいいの?」
「小学生の鉛筆みたいに名前書いて
おきたいな。」
「ふふっ
何、それ!?」
「タスキ掛けとけ。
私は河谷佳悟のものです!
って書いて。」
「できるわけないでしょ!?」
「だよなぁ。」
「けいちゃんだって、新しい部署に行ったら、
綺麗な女の人に言い寄られるかもしれないよ。
けいちゃんは、私だけのけいちゃんだから、
ふらふらついてっちゃダメだよ。」
「遥、かわいい!」
「あっ…」
私はまたうっかり今日何度目かのけいちゃんの野獣スイッチを押してしまったみたいだ。