けいちゃんは、前から決めていたようだった。

でも、私は………

「無理です…
主任のフォローなしで、やってく自信が
ありません。」

「遥」

けいちゃんは、厳しい顔をしていた。

「お前ならできる。
自信なんて、初めは誰だってないんだ。
だけど、お前ならちゃんとやれる。
誰が教えたと思ってるんだ?」

最後にけいちゃんの顔が緩んで優しく微笑んだ。
私の頭をわしゃわしゃと撫でるけいちゃんを見上げてると、課長が咳払いをした。

「一応、会社だという事を忘れないで
もらえるかな?」

「はい…」

と赤くなって俯く私とは対照的に、けいちゃんは、

「当たり前じゃないですか。
会社じゃなかったら、抱きしめてますよ?」

と平然と言った。
私は、ますます赤くなって俯くしかなかった。