翌週は、けいちゃんちに挨拶に行った。

「まあ!
かわいいお嬢さん!」

けいちゃんのお母さんはとても美人だけど気さくな人で、けいちゃんによく似ていた。

「佳悟って、意地悪でしょ?
遥さんは、ほんとにこんな子でいいの?」

「おふくろ!
余計な事、言うな。」

けいちゃんはバツが悪そうに目を逸らした。

「佳悟さんは、とても優しいですよ。
仕事でも失敗ばかりの私をずっと支えてきて
くださったんです。」

私がそう言うと、けいちゃんは優しく私の手を握ってくれた。

「こんな素敵なお嬢さんがうちに来てくれる
なんて、良かったなぁ、佳悟。」

お父さんもにこにこけいちゃんを見ている。

けいちゃんは、こんな素敵なご両親の元で育ったんだ。

私たちもこんな風になれるかな?

私は未来の幸せを思い描いて、けいちゃんちを後にした。