主任とルームシェア始めました


土曜日 10時。

私はけいちゃんと実家に来ていた。

和室で父を前に正座するけいちゃんと私。

けいちゃんが口を開いた。

「本日はお忙しい中、お時間を取って
いただき、ありがとうございます。
今日は、遥さんと正式に結婚させて
いただきたく、お願いに上がりました。」

「………」

「お父さん、私、けいちゃんと結婚したいの。
いいでしょ?」

「勝手にしろ。」

父は憮然とした表情で言った。

「『勝手に』って…」

私が食ってかかろうとすると、母が言った。

「今のはね、『どうぞ』って意味よ。
素直に喜べないお父さんの強がり、分かって
あげて?」

私はけいちゃんと顔を見合わせた。

「必ず、遥さんを幸せにします。」

けいちゃんがまっすぐ父を見て言った。

「それで? お式はいつぐらいを
考えてるの?」

母に聞かれて、困った。
まだ具体的に何も考えてない。

「3ヶ月後の12月を考えてます。」

「え? そうなの?」

私は驚いてけいちゃんを見た。

「2ヶ月後に遥さんが初めて1人で手掛けた
システムの納品が終わります。
その後なら、時間的に余裕もありますので、
そこで式を挙げられたらと思います。」

けいちゃん、そんな事まで考えてくれてたんだ。
私がけいちゃんを見上げると、けいちゃんはにっこり笑って言った。

「納品後なら、ブライダルエステとかも
行けるだろ?
どうせなら、目にクマを作った遥より、
綺麗な遥の方が俺も嬉しいし。
遥は、絶対、新婚旅行も行きたいだろ?
下手に半年後とか1年後にすると、
残業100時間の合間に挙式の可能性が
あるからな。」

「!
それはヤダ!!」

「だろ?」

と言って、けいちゃんは笑った。


お母さんはお昼にお寿司を取ってくれて、みんなでお寿司を食べた。

帰りがけ、母は、こっそり私に耳打ちした。

「いい人捕まえたわね。」

だから、私はこう答えた。

「でしょ?」