2ヶ月後。
再び残業漬けの日々が始まっていた。
私が設計する初めてのシステム。
不安はあるけど、いつも隣にけいちゃんがいてくれる。
そんな週末、けいちゃんと銀座に来た。
「こちらでございますね。」
オーダーした指輪が完成したのだ。
けいちゃんが、私の左手を取る。
私が見上げると、にっこり微笑んで、
「遥、一生、大切にする。」
と言って薬指にはめてくれた。
「けいちゃん、ありがとう。」
私は指輪をつけたまま帰る事にした。
外に出て、日光を浴びると、ダイヤは眩い光を放った。
「すごい! キラキラ!
ね、けいちゃん、綺麗だね。」
私が左手を太陽にかざすと、けいちゃんはにっこりして言った。
「これで他の男が遙に近寄らなくなるな。」
「ふふ
けいちゃん、これがなくても、あの事件以来、
誰も私に近づいてこないよ。
あの時は、たまたま人生に何度かあるモテ期
だったんだよ。」
と私は笑った。
「そりゃ、社内に遥は俺の彼女だってふれて
回ったからだろ?
一緒に住んでる事は、もうみんな
知ってるし。」
「え?
そうなの?
なんで、みんな知ってるの?」
けいちゃんは、どこかで交際宣言でもしたんだろうか?
「当たり前だろ?
一緒に住んでなくて、どうやって毎朝、手を
繋いで出勤するんだよ。
帰りも一緒だし。
誰が見たって分かるよ。」
そうか。
そうだよね。
ふふ
顔が勝手に笑ってしまう。



