週末、けいちゃんが夜景の綺麗なレストランに連れて来てくれた。

「遥もそろそろ独り立ちして、1〜2年後には、
新人の指導係とかしてるかもな。」

けいちゃんは、ワインを飲みながら言った。

「まだまだムリだよ〜。
けいちゃんには教えてもらう事いっぱいある
もん。」

「そんな事ないよ。
俺も6年目で遥の指導係になったし、
なんたって、この俺が3年以上、つきっきりで
教えたんだぞ。
できないわけがない。」

んー、けいちゃんてば、人を乗せるのが上手いなぁ。

「ふふっ。
じゃあ、私もイケメンの新人さんを手取り
足取り、公私ともに指導しようかな?」

けいちゃんの顔が怖い。

「お前には、女子の新人教育しかさせない!」

「女子の新人なんて、ほとんどいないじゃ
ないですか!?
私の同期だって、うちの部に配属された
8人中、女子は2人ですよ!?」

私が言うと、けいちゃんは、
「うーん」
と唸ってしまった。