「迎えに来た。帰るぞ。」

けいちゃんが私の腕を取って帰ろうとするのを、有村くんが制した。

「佐藤は俺が送るから大丈夫ですよ。
まだ話の途中なので、河谷主任は外して
いただけますか?」

言葉は丁寧だけど、有村くんが今まで見た事ない位、怒ってて怖い。

「遥、お前、言ってないの?」

「え? 何を?」

「同期なんだから、隠さなくても言いふらさ
ないだろ?」

「は?」

「有村、悪い。」

けいちゃんは、有村くんに向かって言った。

「こいつ、今、俺と住んでるんだ。
だから、俺が迎えに来た。
お前、遠慮してくれる?」

「!!!
けいちゃん、何言ってるの!?」

「事実だろ?
ほら、遥、帰るぞ。」

なおも、けいちゃんは私の腕を取って帰ろうとする。

「もう!!
けいちゃん、いい加減にして。
今、大事な話をしてるの。
ちょっと待ってて!」

私はけいちゃんの手を振り解いた。