金曜日 18時半。

高野さんが、営業フロアからシステムフロアへやってきた。

「遥ちゃん、遅くなってごめんね。
今から、大丈夫?」

「はい。大丈夫です。
着替えてくるから、待っててくださいね。」

と私は更衣室へ行った。

更衣室は、私の席から近いので、フロアの声が微かに聞こえる。

「お前、亜希はどうしたんだよ。」

主任の声だ。
亜希さんって、主任が言ってた高野さんの彼女?

「河谷には関係ないじゃん。
お前、遥ちゃんとは何でもないんだろ?」

「さあな。
だけど、二股とか、修羅場とかやめろよ。
佐藤はただでさえ今弱ってんだから。」

主任…
いつもふざけてるけど、ちゃんと考えてくれてるんだ。