「あぁ、おいしかった!
主任、ごちそう様でした。」

寿司屋から帰宅して、お礼を言った。

「私、回ってないお寿司、初めて
食べました。」

「あいつ、お前が寿司好きなのに、寿司屋も
連れてってくれなかったのか?」

「あぁ、哲平はお寿司、嫌いですから。
回ってれば、生魚以外のメニューもたくさん
あるから平気みたいですけど。」

「へぇ。
じゃあ、お前らもともと合わなかったんだよ。
結婚前に気づいて良かったんだよ」

「………」

「悪い。
思い出させたな。」

そう言って、主任は、私の頭をぽんぽんした。

「ちなみに、お前、さっき、主任って呼んだ
からな。
罰ゲーム、決定!」

「は!?
一回くらいおまけしてくれてもいいじゃない
ですか!」

「やだね。
罰ゲームは、んー………」

何?
変な事じゃなきゃ、いいけど。

「うん!
ひと晩、抱き枕。」

「はぁ!?
嫌ですよ。」

「いいじゃん。
1回も2回も変わんないだろ?」

「変わりますよ!
今日は意識があるんですよ!」

「くくくっ
でも、決定。」

「はぁぁぁぁ…
でも、絶対、何もしないでくださいよ。」

「はいはい。」

「じゃ、お前、先に風呂入っていいぞ。」

「え?」

「何?
一緒がいい?」

「いいえ、お先にいただきます!」