ホテルに荷物を預けた私たちは、のんびりお買い物に出かけた。

けいちゃんといろいろなものを見て歩くだけで楽しい。

「遥」

「何?」

「あれ、買ってやろうか?」

けいちゃんが、右前方のお店を指差した。

そこは、水着専門店。
店頭のマネキンが着ているのは、激しく布面積の少ない蛍光イエローの水着。

「くくく」

と笑うけいちゃんが意地悪だから、私もついムキになってしまう。

「ありがとう!
明日、早速、ビーチでナンパ待ちして
くるよ。」

私がさらっと言うと、けいちゃんは笑うのをやめた。

「ダメ!
あれは、俺にだけ見せていいヤツ。
ビーチで絶対に1人になんかさせないから…」