みんなで2時間程飲んで、お開きにした。

帰り際、私は大野くんを呼び止めた。

「大野くん。
私、あの頃、大野くんの気持ち、ちゃんとは
分かってなかったんだね。
ごめんね。
だけど、もう戻れないの。
私はけいちゃんが好きで、けいちゃんが
必要なの。
だから、大野くんも、新しい恋、
見つけてね。」

大野くんは、驚いたように目を見開いて、

「そんな事、分かってんだよ。」

と言った。


駅へ向かう大野くんと坂野くんを見送って、私たちはマンションへと帰った。


玄関を入るなり、けいちゃんは私を抱きしめて、キスを落とした。

「遥」

「ん、けいちゃ…」

しばらくして、ようやくけいちゃんは、私の唇を解放してくれた。

「遥、かわいすぎ。
外で、あんなにかわいい事、言われたら、
俺が我慢できなくなるだろ!?」

けいちゃんは、私を腕の中から離さない。

「私は思った事を正直に言っただけだよ?
私の王子様?」