私たちは、途中でコンビニ弁当を買って帰宅した。
けいちゃんは、仕事があるんだから、家事は手を抜いていいって言ってくれる。
私たちは、コンビニ弁当を仲良く食べながら、その日の出来事を話す。
「けいちゃん、ごめんね。」
「何が?」
「けいちゃんの言う通りだった。
今日、坂野くんに告白されちゃった。」
「は!?
あいつ、さっきは何も」
「違うの。
告白はされたんだけど、なんていうのかな?
諦めるための告白っていうか、坂野くんの中の
けじめみたいな感じで、聞いたらすぐに
忘れてって言われた。」
「………」
「私、何がいけないのかなぁ?
超鈍いって言われても、どうすればいいのか
分かんないよ。」
けいちゃんは箸を置いて、私の頭をわしゃわしゃする。
「遥はそのままでいいんだよ。
ただし、指輪は外すな?
既婚者アピールは忘れるなよ?」
「うん。
それは当たり前だけど…。
今日ね、また大野くんにちょっかい
かけられたんだけど、坂野くんが守って
くれたの。
私、今まで気づかなかったけど、人の好意に
守られて生きてるんだなぁと思ったよ。」
「大野め、自分から振っておいて、なんて奴
だ。
まぁ、あいつは別れるつもりなんて
なかったんだろうけど。」