19時。

けいちゃんが迎えにきた。

「着替えてくるね。
ちょっと待ってて。」

私が更衣室に向かうと、けいちゃんは元々自分の席だった私の席に座る。

「坂野、遥に手ぇ出すなよ?」

けいちゃんの低い声が聞こえた。

けいちゃん、今、それ言わなくてもいいのに!

私が更衣室で焦っても、けいちゃんには伝わらない。

「出しませんよ?
遥さんが幸せなうちは。」

「なら、大丈夫だ。
俺は遥を一生幸せにするから。」

恥ずかしい。
けいちゃん、どんな顔してそんな恥ずかしい事、宣言してるのよ。

「あーぁ、俺、結構モテるんですよ?
なのに、なんで肝心なところでは見向きも
してもらえないんでしょうね?」

「そりゃ、超モテる俺が初めは見向きも
されなかったんだから、しょうがないん
じゃね?」

「くくっ
そうなんですか?
やっぱり、遥さんは、超鈍いんですね。」

「鈍いから、みんな振り回されてんだろ?
あいつは、天然で男を惑わすから、危なくて
しょうがない。」

「主任、結婚しても気が休まりませんね〜。」

これ、私、ディスられてる!?