☆…相合い傘…☆

ーーーしとしとと降ってた雨が、いつの間にかザーーッと激しくなってきた。


曲がり角に辿り着くと、先輩とはここでお別れ。


「じゃあまた」

そう言って先輩に手を振ろうとすると、


「気を付けて帰れよ」

と、頭をポンポンしてくれた。


…っ。


こういうこと、普通にするんだから…。
期待しちゃうよ…。
もしかしたら…って。


そんな気持ちを悟られないように、口を開く。

「大丈夫ですよ!家すぐそこだし、子供じゃあるまいし…!」

あぁ…また可愛くない振る舞いをしてしまった。


「そっか。お前は危なっかしいからなぁー。滑って転ぶなよ?」

「っ!転ばないです!」

「ははっ、じゃあな」

おかしそうに笑うと、先輩は手を振り歩き出した。