君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい

「愛莉、ちょっといいか?」



浩ちゃんと話すことがなくなってから気がつけば3ヶ月もたっていた。
気がつけば、浩ちゃんと出会ってから8ヶ月。
季節は巡って冬になっていた。



「浩、ちゃん」



久しぶりに彼に向かって口にした名前。
そう声にだしただけで、涙が溢れそうだった。



「ちょっと、話したいことあんだ」



あたしの腕を掴んで空き教室へと連れていく。



「ど、したの?」



うまく言葉なんてでない。
たくさん、言葉を発したらあたしの気持ちも一緒にくちにしてしまいそうで。



「愛莉、好きなやついるんだよな?」


「え?いるよ、いるけど……」



どうして久しぶりに話した浩ちゃんがこんなことを聞いてくるのかがわからない。



「そいつが俺らの近くにいるから、キスのこと知られるや嫌で俺のこと突き飛ばしたんだろ?ごめんな」



切なく笑ってあたしの頭を撫でる。



「浩、ちゃん?」


「俺が悪いのにずっと無視しててごめん。なんて言えばいいかわからなくてさ」


「あの時、本当にキスしようとしたってこと?」