君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい

「んー、俺もへんなこと言われたな」


「へんなこと?」


「うん。愛莉のこと大事にしてなとかって」


「……え?」



どうして、浩ちゃんが凛月くんにそんなことを言うのかわからなかった。



「あいつ、俺と愛莉ちゃんのことなんか誤解してるみたいなんだけどさ」


「え?」



あたしの頭の中は疑問だらけだった。
あたしと凛月くんのことを誤解していたとしよう。
もし、それが事実だとしても、浩ちゃんには大事な人がいるわけで。そんなの関係ない話ではないのだろうか。



「あれ、浩一?」



凛月くんの言葉にふと、顔を上げると少し先に浩ちゃんの背中が見えた。



「おい、こうい……」



凛月くんが浩ちゃんに声をかけようとした次の瞬間、浩ちゃんの隣に女の子がきて、その手を握った。



「……なんだ、あれ。いつの間にか彼女できたのか?」



首を傾げる凛月くんの言葉にまた胸が苦しくなる。