君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい

「おはよう、浩ちゃん」



次の日、不自然に思われないように浩ちゃんに声をかける。



「……はよ」



不機嫌さは直ってなくて、それから何日もみんなでいるのにあたしとは話さない日々が続いた。



「最近、浩一と話してないよね?なんかあった?」



浩ちゃんと帰れなくなってから一人で帰る放課後。
たまたまその日一緒になった凛月くんが、そう聞いてきた。



「嫌われちゃったみたい」


「え?」


「あたしのこと、ウザくなったのかなぁ……」



この学校に入学して、あたしに友達というものをくれた浩ちゃん。
この学校にきて、浩ちゃんに出会えてよかったと思ったのに。



「どうして、そんなことなったの?」


「浩ちゃんのこと突き飛ばしちゃった……」


「え?」


「顔が近づいてきて……浩ちゃんは冗談のつもりだったんだろうけど、あたし突き飛ばしちゃって。それからはもう……」



一緒にいて、たくさん話していた時期が懐かしい。
浩ちゃんと一緒に帰っていた頃を思い出すだけで胸が締め付けられる。