君が好きと言ってくれるなら、なんだっていい

「ご、ごめん……でも、あたし……」



もう言ってしまいたかった。
キミのことが好きなんだって。
でも、怖かった。
こうして、話すこともできなくなったらどうしようかと。



「まぁ、不用意に顔を近づけた俺が悪いな。ごめんな、好きなやついるのに」



ポンポンっと傷ついたように笑って、あたしの頭を撫でる。



「え?好きな人?」



なんの話かわからなかった。



「もう、帰っていいよ。1人でできるから」


「え?だって、浩ちゃんが……「一緒にいたくねぇんだよ。いいから帰れよ」


「……っ」




一緒にかえろうって言ってくれたから、そう言おうとした言葉は浩ちゃんによって遮られた。



「ごめんなさい」



あたしはそれだけ言うと、かけてあるカバンを手にして、教室をあとにした。